今回は、一橋大学数学(2022年 第2問)の解説をしたいと思います。
問題
$0\leqq\theta\lt2\pi$ とする。座標平面上の $3$ 点 $\mathrm{O}(0,\,0)$,$\mathrm{P}(\cos\theta,\,\sin\theta)$,$\mathrm{Q}(1,\,3\sin2\theta)$ が三角形をなすとき,$\triangle\mathrm{OPQ}$ の面積の最大値を求めよ。
(一橋大学)
解答
$\triangle\mathrm{OPQ}$ の面積を $S$ とおく。なお、$3$ 点 $\mathrm{O},\mathrm{P},\mathrm{Q}$ が同一直線上にあるとき、$S=0$ とする。
$$\begin{align}
S &= \dfrac{1}{2}|\,3\sin2\theta\cos\theta-\sin\theta\,| \\
&= \dfrac{1}{2}|\,6\sin\theta\cos^2\theta-\sin\theta\,| \\
&= \dfrac{1}{2}|\,6\sin\theta(1-\sin^2\theta)-\sin\theta\,| \\
&= \dfrac{1}{2}|\,5\sin\theta-6\sin^3\theta\,|
\end{align}$$
$t=\sin\theta$,$f(t)=5t-6t^3$ とおくと、$0\leqq\theta\lt2\pi$ より $-1\leqq t\leqq1$ であり
$$S=\dfrac{1}{2}|\,f(t)\,|$$となる。
$f(t)$ は奇関数であり
$$f'(t)=5-18t^2$$なので、$0\leqq t\leqq1$ における $f(t)$ の増減表は次のようになる。
$$\begin{array}{c|c|c|c|c}
t & 0 & \cdots & \dfrac{\sqrt{10}}{6} & \cdots & 1 \\ \hline
f'(t) & & + & 0 & – & \\ \hline
f(t) & 0 & \nearrow & \dfrac{5\sqrt{10}}{9} & \searrow & -1 \\ \hline
\end{array}$$
$\dfrac{5\sqrt{10}}{9}\gt\dfrac{5\cdot3}{9}\gt1=|-1\,|$ より、$|\,f(t)\,|$ の最大値は $\dfrac{5\sqrt{10}}{9}$ である。
したがって、$S$ の最大値は
$$\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{5\sqrt{10}}{9}=\boldsymbol{\dfrac{5\sqrt{10}}{18}}$$
$$\boldsymbol{\dfrac{5\sqrt{10}}{18}}$$
解説
座標を用いた面積の表し方と基本的な微分ができるかを問う問題です。
変数変換や対称性に着目して、計算ミスをなるべくしないようにしましょう。
まとめ
今回は、一橋大学数学(2022年 第2問)の解説をしました。
ほかの問題にもチャレンジしよう!
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