数学過去問解説

一橋大学 数学 2022年 第1問 解説

ゆーきち
ゆーきち
こんにちは、ゆーきちです!

今回は、一橋大学数学(2022年 第1問)の解説をしたいと思います。

問題

 $2^{a\,}3^b+2^{c\,}3^d=2022$ を満たす $0$ 以上の整数 $a,\,$$b,\,$$c,\,$$d$ の組を求めよ。

(一橋大学)

解答

対称性より、$a\leqq c$ としてよい。

$2\leqq a\leqq c$ とすると
$$2^2(2^{a-2\,}3^b+2^{c-2\,}3^d)=2022$$となるが、左辺は $4$ の倍数、右辺は $4$ の倍数でないので矛盾する。よって、$a\leqq1$ である。

(ⅰ) $a=0$ のとき
$$3^b+2^{c\,}3^d=2022$$$c\geqq1$ とすると左辺は奇数、右辺は偶数となるので矛盾する。よって、$c=0$ となるので
$$3^b+3^d=2022$$

対称性より、$b\leqq d$ としてよい。

$2\leqq b\leqq d$ とすると
$$3^2(3^{b-2}+3^{d-2})=2022$$となるが、左辺は $9$ の倍数、右辺は $9$ の倍数でないので矛盾する。よって、$b\leqq1$ である。

$b=0$ のとき
$$\begin{align}
1+3^d &= 2022 \\
\therefore \ 3^d &= 2021
\end{align}$$となるが、これを満たす整数 $d$ は存在しない。

$b=1$ のとき
$$\begin{align}
3+3^d &= 2022 \\
\therefore \ 3^d &= 2019
\end{align}$$となるが、これを満たす整数 $d$ は存在しない。

以上より、$a=0$ のとき、題意を満たす整数の組 $(a,b,c,d)$ は存在しない。

(ⅱ) $a=1$ のとき
$$\begin{align}
2\cdot3^b+2^{c\,}3^d &= 2022 \\
\therefore \ 3^b+2^{c-1\,}3^d &= 1011
\end{align}$$$b\geqq7$ とすると
$$\begin{align}
2^{c-1\,}3^d &= 1011-3^b \\
&\leqq 1011-3^7 \\
&= 1011-2187\lt0
\end{align}$$より不適。

$0\leqq b\leqq6$ のとき
$$\begin{array}{c|cl|c}\hline
b & 2^{c-1\,}3^d & (\text{素因数分解}) & \text{組}\,(c,d) \\ \hline
0 & 1010 & (2\cdot5\cdot101) & \text{存在しない} \\ \hline
1 & 1008 & (2^4\cdot3^2\cdot7) & \text{存在しない} \\ \hline
2 & 1002 & (2\cdot3\cdot167) & \text{存在しない} \\ \hline
3 & 984 & (2^3\cdot3\cdot41) & \text{存在しない} \\ \hline
4 & 930 & (2\cdot3\cdot5\cdot31) & \text{存在しない} \\ \hline
5 & 768 & (2^8\cdot3) & (9,1) \\ \hline
6 & 282 & (2\cdot3\cdot47) & \text{存在しない} \\ \hline
\end{array}$$

以上より、$a=1$ のとき、題意を満たす整数の組 $(a,b,c,d)$ は $(1,5,9,1)$ のみである。

与方程式の対称性から、$(a,b)$ と $(c,d)$ は入れ替え可能であるから、(ⅰ),(ⅱ)より、求める整数の組 $(a,b,c,d)$ は
$$(a,b,c,d)=\mathbf{(1,5,9,1)}, \ \mathbf{(9,1,1,5)}$$

答え

$$(a,b,c,d)=\mathbf{(1,5,9,1)}, \ \mathbf{(9,1,1,5)}$$

解説

累乗と和で構成された方程式なので、$a,\,$$b,\,$$c,\,$$d$ がある程度大きくなると $2022$ を超えてしまうのは予想できると思います。

ですが、それだけではまだ候補が多すぎるので、対称性や剰余の性質を使って、さらに候補を絞りましょう。

ある程度絞れた後は、力技で求めるのも $1$ つの立派な作戦です。本解答でも、(ⅱ)で表を使ってしらみつぶしに調べるということをやっています。

まとめ

今回は、一橋大学数学(2022年 第1問)の解説をしました。

ゆーきち
ゆーきち
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!