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高校生クイズ

【高校生クイズ計算問題に挑戦⑧】宇宙エレベーターの移動時間

ゆーきち
ゆーきち
こんにちは、ゆーきちです!

今回は、高校生クイズで出題された計算問題にチャレンジしてみます。

問題

宇宙エレベーターで静止衛星までの移動にかかる時間を計算しなさい。
ただし、条件は以下のとおりとする。

条件
  • エレベーターは地球で静止した状態から 0.1 [G]100 秒間加速し最高速度に達する
  • 以後減速を始めるまで速度を保ったままで移動し 0.01 [G] で減速を行い、速度 0 で静止衛星に到着する
  • 1 [G]=9.8 [m/s2]
  • 静止衛星は上空 36000 [km] にある

ヒント

  1. 等加速度直線運動の公式を使いましょう。
    初速 v0 で移動を開始した物体が、一定の加速度 a で時間 t ・距離 xだけ直線運動した結果、速度が v になったとすると、以下の式が成り立ちます。
    v=v0+at
    x=v0t+12at2
  2. vt 図を使う方法もあります。
    vt 図においてグラフで囲まれた面積は、移動距離を表します。

解答

解法1

等加速度直線運動の公式を用いる方法です。

エレベーターが静止した状態(初速 0 )から 0.1 [G]100 秒間(=t1 とする)加速した後の最高速度を v [m/s] とすると
v=0v0+(0.1×9.8)×100at=98 [m/s]

また、加速中にエレベーターが移動する距離を d1 [m] とすると
d1=0×100v0t+12×(0.1×9.8)×100212at2=4900 [m]

次に、エレベーターが減速している時間を t3 [s] とすると
0=98v0+(0.01×9.8)t3att3=1000 [s]

また、減速中にエレベーターが移動する距離を d3 [m] とすると
d3=98×1000v0t+12×(0.01×9.8)×1000212at2=49000 [m]

よって、エレベーターが等速移動する距離を d2 [m] とするとd1+d2+d3=36000×103d2=36000000  (d1+d3)=36000000  (4900+49000)=35946100 [m]

したがって、エレベーターが等速移動している時間を t2 [s] とすると
t2=d2v=3594610098=366796.9=366797 [s]

以上より、エレベーターが静止衛星まで移動するのにかかる時間は
t1+t2+t3=100+366797+1000=367897 [s]=102 [h] 11 [m] 37 [s]

解法2

vt を用いる方法です。

v,t3 を求めるところまでは「解法1」と同じです。

縦軸をv(速度)、横軸を t(時間)とすると、グラフの概形は下図のようになります。

v-t図

このグラフで囲まれる台形の面積は、エレベーターの移動距離 36000 [km] を表すので、総移動時間を T [s] とすると
{T(t1+t3)+T}(上底+下底)×v高さ×12=36000×103{T(100+1000)+T}×98×12=36000000

T=367896.9=367897 [s]=102 [h] 11 [m] 37 [s]

答え

102時間11分37秒

まとめ

今回は、「高校生クイズ」で出題された、宇宙エレベーターの移動時間を求める計算問題にチャレンジしてみました。

結論は102時間11分37秒、、いつかはこんな乗り物が実現する日が来るのでしょうか。楽しみですね!

計算のポイント
  • 等加速度直線運動の公式を使う
  • 加速局面→減速局面→等速局面の順に時間・距離を求める
  • vt 図を使う
ゆーきち
ゆーきち
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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